リモートでもまるでその場に
いるかのようなワークスタイル。
図面全てをデータ化して
進捗管理を最適化!

江尻建築構造設計事務所

時代に合わせて先進的なワークスタイルをとられている江尻建築構造設計事務所。
事務所のある東京から離れた所員と共にプロジェクトの進行をBuddyBoardで行われており、江尻様とメンバーの方々に話を伺いました。

目的
  • 遠隔での建築設計
    プロジェクト共同作業
  • 更新データの履歴の見える化
業種
構造設計事務所
規模
10〜30名

江尻建築構造設計事務所Webサイト

江尻建築構造設計事務所 主宰
日本女子大学 教授
江尻憲泰 様

江尻憲泰主宰の構造設計事務所。1996年設立。アオーレ長岡や旧富岡製糸場西置繭所など建築物や歴史的建造物の保存に至るまで幅広く構造設計活動を行う。炭素繊維より線やETFEフィルムなど多様な材料も活用して構造的アプローチに挑む。

課題
  • 手書きアプリケーションを使用していたが、描画の精度が低く手間がかかっていた
  • 膨大な紙資料の管理が難しくなってきていた
解決策
  • BuddyBoardの精度の高い手書き描画による紙に書くのと同じ感覚
  • レイヤー機能やカラムによるデータ一元管理
効果
  • リモートワークでも不自由なく、関係者との意思疎通を瞬時にできるようになった
  • 膨大な紙資料がBuddyBoardに集約され、管理が容易になり、必要な情報にアクセスしやすくなった

事務所とリモートワークの
ハイブリッド型ワークスタイル

日頃からどのようなスタイルでプロジェクトを進行されていますか?

江尻:事務所としては13名で活動しているのですが、4年ほど前からはこの東京の高田馬場の事務所以外に、リモートワークで働いている所員もいます。私は大学の教員もやっており、現在は日本女子大学の所属ですが以前は新潟県の長岡造形大学に所属があったため、その人脈やプロジェクトの進行もあります。そのため1名(岩野)は、実家に近い新潟県長岡市を拠点に、本人のライフスタイルに合わせたリモートワークを行っています。事務所としては今後もリモートワークを広げていく予定でして、2023年度からはもう1名(古澤)も出身地の長野に戻り、岩野と同じようにリモートワークを行う予定です。

BuddyBoardを使い始めたきっかけを教えてください。

江尻:長くお付き合いさせて頂いている建築設計事務所がありまして、そちらが意匠設計されたものをこちらで構造的な計算をするといった共に行っているプロジェクトが幾つかあるのですが、その事務所では日頃からBuddyBoardを建築設計の現場で活用されていることから、プロジェクトの進行をBuddyBoardでできないか?という相談があり、使ってみることになりました。

これまでAndroidのタブレットで手書きデザイン用のアプリケーションを試したことがあったのですが、ペン位置と描写位置のズレやタイムラグがあって描きづらく、そういったツールにあまり良い印象を持っていませんでした。

ところがいざBuddyBoardを使ってみると、紙に手書きで書くのと同じような感覚でメモができたり、絵を描いたりすることができ、非常に使い勝手が良く、興味を持ち始めました。

手書きとデジタルの
両方の良さが活きる

BuddyBoardを使ってみていかがでしょうか?

江尻:打ち合わせで使うこともよくあるのですが、外部の設計事務所から届くアイデアやデザインに対して、実際に柱や梁や壁などその部材がどんな大きさの厚みや大きさになるかを計算してフィードバックする場面で特に使います。これまではその検討や計算をするときにA3サイズやA2サイズの紙に出力し、その大きな紙を見ながら作業をしていたのですが、BuddyBoardを導入してからは図面をBuddyBoard上でみんなと共有しながら、ここの部分はどういう風に考えようかみたいなことを、各々手元でiPadの画面を見ながらやり取りし、部材断面を出していくようなことをしています。その後部材の断面や計算手順を一緒に見ながら、このくらいのオーダーでいけそうだねということを確認しながら進めていくことができるので、非常に便利で意思決定も早くなりました。

古澤:私はもともとBuddyBoardを使い始める前から別のアプリケーションを使用していたのですが、いくつか検討していたタイミングでBuddyBoardの導入検討の話が持ち上がり、使用してみることになりました。設計に特化したレイヤー機能や寸法表示機能は非常に便利だと思っています。

府金:これまでは印刷した意匠図や施工図に手書きで書いて、それをスキャンしてデータ化する作業が基本だったのですが、BuddyBoardではこれまでと同じ手書き作業がiPad上でできることに加え、印刷せずにそのまま関係者と共有できるのが良いですね。紙に赤入れしたものは最終的に膨大な量になり管理が難しく、経緯がわからなくなることもあるため、データとして作業の過程が残せるのも良いと思っています。

岩野(長岡サテライトオフィス):遠隔で仕事をしていることもあり、月に数回東京の事務所へ行き仕事をする際は結構な量の紙資料を持ち運んでいました。BuddyBoardを使うようになってからはそういったことが全く無くなり、負担が非常に軽くなりました。また現場や打ち合わせの際、これまでは必要な資料が不足することがありました。そういったこともBuddyBoardを使うようになってからは無くなりました。資料が全部カラムで整理されているので、必要な資料をすぐその場で確認でき、作業効率がとても上がっています。現場でPCを起動して確認する手段もありますが、それは手間も時間もかかりますし、iPadですぐに起動できる点が手軽で良いですね。

離れていても手書きで
直感的にやり取りできる

BuddyBoardはどんな場面でどのように使われていますか?

江尻:例えばサテライトオフィスの岩野とリモート会議をする際によく活用していまして、所員のメンバーでお互い書き込みながら作り上げていくことを行っています。外部とのやりとりは、BuddyBoardをご紹介頂いた建築設計事務所と基本設計段階の図面をBuddyBoard上で共有しながらお互い書き込んで意思疎通を図っています。それ以外のパートナーとはまだこれからですが、もっと使い慣れてこれば沢山の方と使えると思います。

古澤:私は江尻と打ち合わせをする際によく使用しています。BuddyBoardを使う前から江尻と打ち合わせするときには、対面でも、紙やホワイトボードへ一緒に何か書きながら話をしていました。複数人で何か書いていくことはクオリティを上げる上でも良いことなので、複数人による共同編集というBuddyBoardの特徴は非常に良いと思います。そしてこの特徴はリモートでも活きますし、場所を選ばないのが良いですね。この東京の事務所はバーチャルオフィスの環境を整えており、音声は常にサテライトオフィスと繋がっています。そのため、BuddyBoardは弊社のサテライトオフィスと非常に相性が良いです。

府金:私も江尻との打ち合わせでBuddyBoardを使用することが多いです。また、私はレイヤー機能を使って自分が理解するためのメモを書いていて、外部の設計事務所や施工者に見せるときにはそのレイヤーを非表示にして共有しています。レイヤーの設定を使ってページの表示内容を使い分けできるのがとても便利です。

打ち合わせで別の真っ白い紙にメモを残すよりも、BuddyBoardでレイヤーを使って同じ画面上にメモが残っている方が情報を一元管理できますし、あとから振り返りも容易のため、非常に役立っています。

BuddyBoardを導入してどのようなことが改善されましたか?

江尻:導入前からもリモート会議は日常的に行なっていたのですが、たとえば紙に書いたものをウェブカメラに向かって「これこれ!」と指差して遠隔の相手に説明をしていたので、BuddyBoardを導入してからコミュニケーションに必要な労力が非常に少なくなりました。それに、手書きは自分の頭の中の整理にもなるので、やはり手書きでリアルタイム共有できることは便利ですね。

あと構造設計を進めていく上では図面でのスケール感の把握が非常に重要なのですが、特に古い建物のプロジェクトの場合、図面に尺度が入ってないことがあります。しかしBuddyBoardを使えば、どこか1箇所でも寸法がわかればそれをもとに古い図面の尺度を自動計算できるので、その機能が非常に役立っています。

岩野(長岡サテライトオフィス):以前は資料のチェックバックに課題がありました。もちろん手書きで書くと早いのですが、それを送るために手書きで書いたものをスキャンし、データをメールに添付して送るという作業が必要でした。さらにその後に電話で補足説明をすることもよくありました。

それがBuddyBoardだと、手書きで書くことはもちろん、書いた直後に自動で共有もされます。BuddyBoard上の同じページを関係者と見ながら「ここがこうです」とリアルタイム共有もできるので時間短縮になり、導入前後ではだいぶ効率が変わりましたね。

BuddyBoardの機能で特に気に入っているところはありますか?

古澤:最近気づいたのですが、レイヤーの透過率を設定できるのですね。外部の設計事務所から送られてきた意匠図面へ構造について色々書く時、意匠図面のレイヤーの透過率を調整すると自分の書いているものを際立たせられることができて、とても便利です。

岩野:一時的に注目箇所を示すポインタ機能がありますよね。この機能が便利で、「ここがこうなって・・・」の「ここ」を相手にすぐ示せるため重宝しています。一度消えかけた後にもう一度ポインタを動かすと、以前ポインタしていたところが浮かび上がりますよね。注目してほしい箇所を関係者に示しやすいため、リモート会議では重宝しています。

ユーザーの声をもとに
急速な進化を続ける

今後BuddyBoardに期待したい機能や活用したい場面はありますか?

江尻:2つあります。1つはBuddyBoard上で簡単な計算をできるようにして欲しいです。足し算・引き算・掛け算、それと2乗とか3乗とかルートの3乗根ぐらいまでは簡単に計算できるような機能が入るととても便利かな。

あとはやっぱりPCを使う場面が非常に多いので、PCを使っている人にも有る程度の操作ができるようになると利用価値が上がると思います。ブラウザで閲覧やちょっとした編集は既にできるようになっていますが、ポインタで示せるようになったり、機能がもう少し増えると良いですね。

古澤:私はわりと満足しています(笑)当初と比べるとだいぶ使いやすくなりましたよね。

府金:大体のアプリは「ここが使いづらい」と思ったらなんだか段々面倒くさくなって使わなくなってしまうのですが、BuddyBoardはユーザーの声を聞いてくださり、そして日々急速に進化しているので使い続けています。

あとはCAD的な操作ができるようになるとより使いやすくなると思います。例えば、PCのCtrlキーを押しながらクリックして複数選択操作するような機能がBuddyBoardにも搭載されると嬉しいです。

岩野:編集自体は今ある基本機能でおおよそ満足しています。

あとは編集用にレイヤーを足したい時に、ページごとに付け加えなければいけないのを、一回の操作で全てのページに追加できると嬉しいです。あとは、実現は難しいかもしれませんが、書き込んだ時の履歴を時系列で表示してほしいです。どのタイミングで誰が書き込んだのかをチェック出来るようになるとますます便利だと思います。

都度ノートを複製するという代替手段もあるのですが、1つのノートにずっと書き込んでいくことで古い書き込みを一か所に蓄積していきたいのです。その際に古い書き込みを時系列で確認できると便利なので、そのような機能ができると嬉しいです。