頭で考えたことをすぐに形にして
ブラッシュアップ!
アイデアを共有し、
ディスカッションも活発に。
隈研吾建築都市設計事務所
BuddyBoardをリリース初期より導入いただき、現在推進している数多くのプロジェクトでご活用いただいている、
隈研吾建築都市設計事務所を訪ね、建築家でもあり会社の代表を務められている横尾実様にお話を伺いました。
- 目的
- ・手書きを利用した業務効率化
・ペーパーレス化 - 業種
- 設計事務所
- 規模
- 30〜100名
隈研吾建築都市設計事務所Webサイト
隈研吾建築都市設計事務所
代表取締役 横尾 実 様
世界的建築家、隈研吾氏が1990年に設立した隈研吾建築都市設計事務所。国立競技場をはじめ、50を超える国々で建築物の設計に携わり、国内外で様々な賞を受賞している隈研吾氏をはじめ、約300名のスタッフが世界中でプロジェクトを手掛けている。
- 課題
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- ・設計図面など、膨大な量の紙を使ったワークスタイルは仕事の効率が悪い
- ・設計のブラッシュアップには手書き作業は重要、ただしアイデアの数だけ紙の枚数が増える
- ・電子媒体検討の中、PDFへの書き込みは作業効率が上がったが肝心のスケールを測ることができない
- 解決策
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- ・直感的な手書き操作が可能なiPadを導入し、ペーパーレススタイルによる図面の確認業務を確立
- ・BuddyBoardのレイヤー機能を使い、多くのアイデアをiPad上で簡単に共有・管理
- ・寸法を測ることができるBuddyBoardへ図面を読み込み手書きでメモ
- 効果
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- ・社内でのiPad利用者が増え、BuddyBoardを使ったアイデア共有がとても効果的になった
- ・過去のアイデアをレイヤー機能ですぐに確認でき設計のブラッシュアップにつながる
- ・BuddyBoardにより頭で考えたことを形にしやすくなった
図面のペーパーレス化と
iPadの活用
- iPadで仕事をされている理由は何でしょうか?
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iPadを使うようになったきっかけは、2020年頃にオフィスをフリーアドレス化し、物を持たずに移動するという必然性が出てきたことです。その物というのは設計事務所の場合、膨大な図面などの紙なんですね。設計のプロセスにおいて、図面を書くだけでなく、図面のチェック作業が結構多くあります。それは現場の施工業者さんとの打ち合わせでも膨大な施工図がありまして、本当にたくさんの紙を持って歩くスタイルでした。そのスタイルをもうやめよう、と電子媒体でチェックできるツールの導入を検討し試行錯誤した結果、iPadを導入しました。建築設計において、手書きというのは非常に重要です。iPadが優れているのはタッチペンの書き心地と、頭で考えたことをそのままスムーズに画面に描けることです。その手書きがストレスなくできることがiPad導入の決め手でした。BuddyBoardを利用する前までは、iPadを使ってPDFの図面に直接書き込んだり、PDFの図面に上書きしたりするような形で図面チェックを行っていました。
- 隈研吾建築都市設計事務所ではiPadユーザーが増えていますか?
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そうですね、iPadでできる手書きの良さだけではなく、オンライン会議で使いやすいデバイスであるのも増えている理由です。iPadはすぐに電源が立ち上がるのでストレスなく会議ができるのが魅力の一つです。オンライン会議はもちろんパソコンでもできるのですが、図面のチェックや、進行中のプロジェクトをブラッシュアップしていくスタディというプロセスにおいて、やはり手書きでの作業が欠かせないんです。その作業がiPadだとストレスなくできるところがやっぱり一番大きいんじゃないかなと思います
直感的に寸法や面積がわかる。
レイヤーでアイデアをブラッシュアップ。
- BuddyBoardを使ってみていかがでしたか?
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BuddyBoardは毎日使用しています。私たちにとってとても使いやすいツールです。使えるポイントは、やはり縮尺があるというところです。BuddyBoardを使用する前までは、PDFで図面のチェック作業をしていましたが、直感的にここがいくつの寸法だとかどれぐらいの面積だとかいうことができなかったのですが、それをBuddyBoardができる点が使いやすいです。建築の設計は常に寸法という概念がつきまとうので、その確認ができることが大きいですね。
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もうひとつ機能的に良い点はレイヤー機能です。レイヤーはCADでは一般的なのですが、レイヤーを重ねていってスタディをしていく際に、ひと昔前は手書きでトレーシングペーパーを重ねて上書きをしてブラッシュアップしていくという作業を、BuddyBoardで同じようにできるということが機能的な価値として非常に大きいです。建築設計は一発で決まるものじゃないので、こういうふうになるとどうなるだろうか、など試行錯誤しながら確認をしていき、やっぱりこれはないな、これでいこう、という作業をBuddyBoardだと容易くできるという点が大きなポイントですね。
ディスカッションが活発になった。
ペーパーレスも実現。
- 現在、BuddyBoardはどのような利用シーンで使っていますか?
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そうですね。まず、図面のチェックもそうですが設計のスタディですね。案を考えるツールとしてBuddyBoardは最適ですね。また、外部の方との打ち合わせもあります。構造設計事務所の方へBuddyBoardを紹介したところ、ぜひ使用したいということで、BuddyBoardを使用したやり取りが徐々に始まっています。
- BuddyBoardを使ってみてよかった点を教えてください。
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BuddyBoardの一番の開発思想の要のところは、遠隔の人と共有しながら一つのファイルを確認したりチェックしたりということだと思うのですが、これってそんなに使うことないなって最初は思っていたんですよ。(笑)
最近実は使い始めまして、それがどういうシチュエーションかというと、別に遠隔の人じゃなくて、その場に集まった人で使用しています。集まった人でファイルをBuddyBoardで共有して打ち合わせをすると、これまでと何が違うかというと、紙がいらないんですよ。これはやっぱりすごいなと思います。遠隔じゃなくて対面でもひとつのファイルにみんなで描けるという需要は結構あると思いますね。
これまでは、CADとか電子ツールで作ったものを結局紙に出力して、テーブルの上でペンで書くとか、もう何十枚も配布していましたので、そういった無駄が省けるというのが最近気づいたことです。ここはこういうことだったんだなって、お互いの手元のiPadで書きあったり写真を貼り付けたり、設計的にもディスカッションが活発になり何かと効果的です。
また、そもそも今は会議は集まらなくてもやれる時代になってきたので、当初のBuddyBoard開発思想のように遠隔の人とも繋がれるという、そういった時に写真とかすぐに共有できて、今考えているのはこういうものだよとか、共有しやすいですね。
頭で考えたことを形にしやすい。
パートナーとのやり取り促進にも期待。
- 今後はどのようにBuddyBoardを活用していきたいとお考えですか?
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CADとBuddyBoardの使い分けをしていきたいです。製図はBuddyBoardではできないのですが、ただCADだと頭に浮かんだことを瞬時に形にすることが、フリーハンドではなくハードラインでできている世界なので難しいです。BuddyBoardでやった方がより頭で考えたことを形にしやすいので、それをブラッシュアップして最終的に製図の局面になったらCADで製図をするという活用をしていきたいです。
- 今後BuddyBoardに期待したいことはありますか?
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もう今の環境で結構満足しているところもあるのですが(笑)、1つこれができるといいなというディテールの話ですが、レイヤーがやっぱすごい膨大になるのでそれを整理できるといいなぁ、と。その中で階層を作って仕分けができると良いです。建築のプランニングでは平面図の検討から入ることが割と多いのですが、基本的に各階、何層にも渡る建物の設計というのが多いので、その各階をレイヤーに分けるとかしてスタディができるととても便利だと思います。レイヤーをいくつも消したりアクティブにしたりというのが結構ストレスなので、各階ごとに分けて階の中でさらに細分化したレイヤーがあったりするとすごく使いやすくなるなと思います。
CADに近い考えですが、CADまで複雑でない直感的で使えるものが理想ですので、ブラッシュアップに期待しています。またWEBブラウザからも編集できる機能が追加されるというのは嬉しいですね。