株式会社竹中工務店 大阪本店 様

100社前後の協力会社を巻き込む大規模現場で、 施工図回覧の「止まり」を解消。BuddyBoardが現場の当たり前を変えた。

株式会社竹中工務店 大阪本店の事例ビジュアル

今回BuddyBoardを導入したのは、複数年という長期工期・複数棟構成・協力会社約100社が関わる大規模プロジェクトの作業所です。副所長の市野さん、施工図担当の宮本さん、設備担当の猪飼さんの3名に、BuddyBoard導入前後の変化を伺いました。

課題
  • 現行システムの手書き機能が使いにくく、文字注釈だけの回覧になっていた
  • 紙で回覧しており、順番待ちによる期日超過が頻発していた
  • 複数担当者が同時にPDFへ書き込めるツールが存在しなかった
  • ペンの色が足りず、紙では誰がチェックしたか識別が困難だった
解決策
  • BuddyBoardをiPadで導入し、直感的な手書き書き込みを標準化
  • データマネージャーが現行システムからBuddyBoardへ一括アップロードし、ペーパーレス回覧を実現
  • BuddyBoardでリアルタイム共同編集を実現
  • 自由な色選択と履歴機能で担当者識別を標準化
効果
  • 紙と同じ感覚で手書きチェックが可能になり、在宅・外出先でも作業が完結
  • 回覧の「止まり」がなくなり期日内完了が当たり前に。月最大3,840枚規模の印刷も削減
  • 同時多人数での共同編集により、他者のチェック内容をリアルタイムに確認可能に
  • 色の使い分けに加え、誰がいつ書いたかを履歴で追跡でき、識別精度が向上

数値で見る導入効果

  • 印刷枚数の削減

    月最大3,840枚

    鉄骨図3,600枚+平面詳細図160枚+躯体図80枚(月/工区あたり)

  • 回覧リードタイムの短縮

    最大4分の1に

    建築2.5週間/設備1ヶ月 → 一律1週間(人数に依存しない並行回覧)

  • 前処理工数の削減

    1回最大80分

    A1スキャン・PDF結合・印刷確認等が不要に(設備A1案件で最大1時間20分)

100社・週40件の図面回覧を支えていた、非効率な従来フロー

この作業所の規模と、施工図回覧の体制を教えてください。

市野: この作業所は複数棟構成で、数百名の職員が関わります。工期は複数年という大規模プロジェクトです。協力会社は設備だけで40社ほど、建築も合わせると100社前後との調整が必要です。施工図の回覧は今で週10件ほど、月40件規模で、今後さらに増える見込みです。

BuddyBoard導入前は、どのように施工図の回覧を行っていましたか?
施工図担当 宮本 様

宮本: 建築の施工図は別の回覧システムを使っていました。一斉に送付して、全員が期日までに確認したら完了というフローです。ただ手書き機能が使いにくく、実態としては文字の注釈だけを書いて済ませる形になっていました。手書きで直感的に指示できる環境ではなかったです。

猪飼: 施工図は紙でも回覧していました。例えば、設備施工図を作図するためには建築の鉄骨図・躯体図との取り合いの情報をチェックしなければなりません。その際は、建築図面を印刷してチェックし、その後チェック図面をPDF化して建築・設備関係者に共有するというフローでした。

紙での回覧で、特に困っていた点はどこですか?
副所長 市野 様

市野: 誰がチェックしたか分からなくなることですね。紙で回覧する場合は消せるペンを使ってチェックしているのですが、色に限りがあるためみんなが違う色を使おうと思っても色が足りない。字が汚くても誰が書いたか特定しにくいし、拡大もできないので細かい図面は見づらい。そういった不便が積み重なっていました。

宮本: 平面詳細図だと1工区で50枚ほどあります。作業所内回覧・確認回覧・承認回覧と3回転させて、それが4フロア分となると、印刷枚数は膨大なものになります。鉄骨図になると1図面で150〜200枚になることもあります。それを準備する時間も膨大です。鉄骨図はPDFのスキャン・結合・確認で合計30分、平面詳細図はA1を20枚スキャンするだけで40分、結合確認まで含めると50分かかります。

猪飼: 協力会社から提出された図面を印刷して、表紙をつけて回覧開始。見終わった人が次の人のところへ持っていきます。順番が来ないと見られないので、誰かで止まったら全体が遅れてしまう。設備の計画書は1件で50枚以上になり、印刷から表紙添付まで約20分。施工図の場合、A1図面の為、印刷だけで1時間かかります。こうした前処理は若手が担うことが多く、業務時間がどんどん増えていました。

「PDFの同時編集はありそうでない」─ BuddyBoard導入の決め手

BuddyBoardを導入することになった経緯と、決め手を教えてください。
副所長 市野 様(中央)、施工図担当 宮本 様(右)、設備担当 猪飼 様(左)

市野: 別システムでの回覧フローは継続しながら、チェック・書き込みの部分をBuddyBoardに切り替えています。別システムは手書き機能が使いにくかった。BuddyBoardはiPadで手書きができる、しかもリアルタイムで複数人が同時に同じ図面に書き込める。PDFの同時編集ってありそうでないです。他社のクラウドサービスも試しましたが、同時に複数人が書き込む機能はなかったり、操作が複雑すぎたりしました。BuddyBoardは直感的に触ってすぐ使えました。

猪飼: 大学生のときからiPadで授業を受けてメモをとってきた世代なので、直感的に使えました。何も迷わずに使い始められたのが一番良かった点です。他社サービスなどは機能が多すぎてどこに何があるか分からないことが多いです。BuddyBoardはシンプルで入りやすかったです。

BuddyBoardの活用シーン ─ 施工図から鉄骨保留事項の共同確認まで

現在、BuddyBoardをどのような場面で使っていますか?

市野: 施工図、施工計画書、そして複数人で同時にPDFを編集したいときに使っています。特に鉄骨の保留事項の確認では、設備担当・躯体担当・内装担当がそれぞれ担当している指示が反映されているかを同時にチェックして、鉄骨製作会社へ流すという作業をBuddyBoardで行っています。従来は順番待ちが発生していたものが、全員が一斉に書き込めるので大きく変わりました。

宮本: 別システムから回覧が上がってきた図面を、データマネージャーの方がBuddyBoardへ一括でアップロードする運用を確立しています。担当者はその図面に対してチェックするだけなので、手間が最小化されています。

BuddyBoard上での書き込みルールはありますか?

市野: 明文化されたルールはないですが、暗黙の了解があります。私はピンク、所長は青、という形で、各自が使う色を自然に棲み分けています。紙のときはペンの色の種類が限られていて誰のチェックか分からなくなることもありましたが、BuddyBoardは色が自由に選べるので識別しやすい。履歴機能で誰がいつ書いたかを後から確認できるので、さらに管理がしやすくなります。

どのようなデバイスや場所で使用していますか?

宮本: 作業所内だけでなく、在宅でも使えています。iPadで手書きチェックができるのが一番大きい。紙に書くのと同じ感覚でできるし、拡大縮小もできる。パソコンのマウスで書くのとは全然違う書き心地です。手書きで直感的に指示を書き込めることが、施工図チェックには特に重要です。

導入後の変化 ─ 回覧の「止まり」がなくなり、期日内完了が当たり前に

BuddyBoard導入後、最も大きく変わった点はどこですか?

市野: 回覧が止まらなくなったことです。これまで建築の施工図は12名前後の対象者を1日1人ペースで順送りすると最短でも12営業日=約2.5週間かかっていました。設備にいたっては対象者が20名前後で、回覧だけで1ヶ月かかっていました。実際には「回ってきた日にじっくり見られない」「1日1人のペースすら守れない」という現実もあり、期日延長が常態化していました。BuddyBoard導入後は人数に左右されず、現在は1週間という期限の中で各自が自分のスケジュールに合わせて確認できるようになり、止まりがなくなりました。また他の人がどんなチェックを入れたかリアルタイムに見えるので、コメントへのコメントも書けるし、全体の議論が活発になりました。

宮本: もう当たり前になってしまっていて、今改めて聞かれると具体的なエピソードが出てこないくらい(笑)。それだけ自然に馴染んでいるということだと思います。

紙の印刷量はどのくらい変化しましたか?
設備担当 猪飼 様

市野: 大きく減っています。具体的に試算すると、月あたり躯体図で80枚(1工区2フロア×チェック・回覧の2回転)、平面詳細図で160枚、鉄骨図にいたっては一般図と単品図あわせて月3,600枚の印刷がなくなっています。1工区だけでもこの規模で、月最大で3,840枚規模の紙が削減できている計算です。印刷コストはもちろんですが、A1図面を折りたたんで整理して持ち回るという作業工数がなくなったことが大きいです。A1の図面は今の会議テーブルでは広げられないほどのサイズですし、場所的な制約もなくなりました。

想定外の便利さ ─ スタンプ機能と履歴機能の発見

使ってみて、想定以上に便利だと感じた機能はありましたか?

市野: スタンプ機能が想像以上に便利ですね。図面チェックをしていると同じ指摘を何度も書くことがよくあります。1回書いたものを囲んでスタンプ登録できるなら、同じことを何度も書かなくて済みます。かなり使えると思いました。

宮本: 履歴機能も便利だと感じました。誰がいつ何を書いたかが時系列で全部確認できる。これまでは、色で誰のチェックかは判断できていましたが、履歴として残ることで後から振り返りやすくなります。消しゴムで1か所だけ消せる点も便利で、紙と違って修正が柔軟にできるのはやはりデジタルのいいところです。

今後への期待とメッセージ

BuddyBoardに今後期待することはありますか?

市野: 指摘事項の自動リスト化です。手書きで書き込んだ内容が自動でテキスト化されて、誰がどの指摘に対応するかをリストで管理できるようになると、抜け漏れが格段に減ると思います。所長がよく『誰々さん、これ大丈夫?』という形でコメントを書いていますが、その内容が文字として認識されて担当者に通知が届くようになれば、本当に楽になります。

宮本: 図面の比較機能も欲しいです。是正前と是正後の図面を並べて差分が確認できると、施工図チェックや分科会の場面で非常に役立つ。修正漏れの発見がずっとしやすくなると思います。逆に言えばそこまでできたら、自分のいる意味がなくなるくらい時短になる(笑)。

猪飼: 設備グループとしては協力会社との書類やり取りの効率化に期待しています。今は別のクラウドサービスにアップロードしてURLをメールで送って、相手がダウンロードして返してくるというフローが多いです。BuddyBoardがプラットフォームになって、図面を書いた会社と直接やり取りできるようになれば、共有の為の事前業務の低減および意思疎通の促進に繋がると思います。まずは社内での活用範囲をもっと広げていきたいです。

BuddyBoardの導入を迷っている現場の方へ、メッセージをお願いします。

市野: 上の世代には『A1の紙で見たい』という方が多いです。ただ、BuddyBoardを1週間使うと、みんなBuddyBoardでしか確認できないって言う(笑)。最初は食わず嫌いなだけなので、とにかく使ってみてもらうことが一番の解決策です。若い人は大学の頃からiPadで使ってきているから何の抵抗もない。世代を問わず使い始めればすぐ慣れます。

宮本: 直感的に使えるのが最大の強みだと思います。様々なPDFソフトを試しましたが、機能が多すぎてどこに何があるか分からないものが多い。BuddyBoardはパッと触ってすぐ直感的に使い始められる。施工図チェックで迷っている方は、まず触ってみることをお勧めします。