KNOWLEDGE お役立ちコラム

建設業のコミュニケーション課題解決事例
~クレーム予防による生産性向上~

施主と建設会社スタッフの打ち合わせのイメージ

多くの人が関わりながら仕事を進める建設業では、さまざまなコミュニケーションが発生します。施工内容の相談やスケジュール調整など、複雑なやり取りを行ううえで気を付けたいのが、ミスコミュニケーションです。関係者全員が常に最新の情報を共有できるような仕組みづくりが必要です。2024年4月から建設業界でも「働き方改革関連法」が適用され、2024年問題対策としてあらゆる業務の効率化が求められる中、「ささいな行き違いが大きなトラブルやクレームにつながり、対応のために残業や休日出勤をする」といったことは、もっとも避けたい事態の一つではないでしょうか。本記事では、コミュニケーションの手法を見直すことで、クレームなど不測の事態を防ぎ、生産性向上に成功した事例をご紹介します。「言った、言わない問題」や大人数のチーム内で最新図面が錯綜するなどで、対応に想定外の時間をとられるという課題をお持ちなら、解決手段の一つとしてお役に立つ情報です。

建設業で起こりがちなコミュニケーションの行き違いによるトラブル

建設業でコミュニケーションがうまくいかずクレームを受ける男性

建設業界で働き方が見直される中、注目されているのが、コミュニケーションに関する工数の改善です。

建設業では、建築士、施工管理者、職人、外部の取引先など、多くの人が関わりながら一つの建物をつくりあげます。その工程では、さまざまな形のコミュニケーションが必要となります。

例えば、施工管理者なら
・職人との工事に関するやり取り
・施主や建築士との打ち合わせ
・建設現場の近隣住人への対応

建築士なら
・施主や施工会社との打ち合わせ
・他職種からなるプロジェクトチームでの打ち合わせ
・コンペや商談でのプレゼンテーション
といった場面が考えられます。

こうしたコミュニケーションの中で注意しなければならないのが、認識のズレや行き違いです。異なる立場にいる多くの人とやり取りを重ねる際には、思わぬ認識の違いが起こるもの。そこから一つでもトラブルやクレームが発生すると、大幅な工期遅れを引き起こし、コストが増大するだけでなく、残業や休日出勤などの常態化にもつながってしまう恐れがあります。

そこでここからは、建設業のミスコミュニケーションを防ぐ方法をご紹介します。コミュニケーションの手法を見直すことで、認識違いから発生するクレームや手戻りなど、不測の事態を防ぎ、クレーム予防とともに作業時間の削減に成功した事例を見ていきましょう。

【導入企業の概要】

業界・業種 建設業・不動産業
社員数 約600名 ※2023年2月現在
創立 1989(平成元)年
資本金 3700百万円
事業内容 戸建て住宅の施工・販売 マンションの企画・販売 不動産仲介
事業エリア 関東・中部・東海・関西

【コミュニケーションの課題】 図面の変更・修正が非効率かつ不完全で、生産性が上がらない

中部エリアを中心に、関東から関西までを業務エリアとするこちらの建設会社様では、全社で生産性向上に取り組むにあたり、その妨げとなる業務の洗い出しを行いました。そこで出てきたのが、認識のズレや図面共有の行き違いによる手戻り、調整にかかる無駄な時間を何とかしたい、という課題でした。

この会社では、一案件に対して設計士やデザイナー、営業など7~8名でチームを組んで仕事を進めています。仕様書や図面の修正依頼は、施主様や外部の取引先、チームメンバーなど複数の相手から、対面、電話、メール、チャットなど複数のコミュニケーション手段で、それぞれのタイミングで伝えられます。そのため、仕様書や図面を最新、かつ正確な状態に更新して共有することに困難を感じていました。

特に、お客様からの要望の反映漏れや、反映していたはずの図面が消えて先祖返りが起こり、施主様の意向とチームとの間に認識のズレが生じると、クレームに発展しかねません。打ち合わせには外部のインテリアコーディネーターら第三者に参加してもらい、議事録作成を依頼するなどの対策も講じましたが、それだけでは解決しないこともあります。例えば、外出先で顧客から変更依頼の電話を受けても、オフィスに戻らなければ図面に反映できないため、忙しさの中で対応漏れが生じてしまう。口頭でのご依頼の意図が正しく伝わらず、異なった形で図面に反映されてしまう。打ち合わせを繰り返して図面を何度も上書きしているうちに、施主様と設計士の間で「最終決定事項」の認識がズレてしまう…などです。双方の認識が違っていることに気付かず、施工フェーズに移行してしまったら大問題です。最新で正しい情報を関係者に確認して仕様書や図面を修正するのは、設計士にとって想定外の大仕事となり、心身ともに疲弊します。

建設業界では、このようなことが頻繁に起こりがちです。クレームに発展すれば顧客との信頼関係を再構築するのに、膨大な時間と手間、コストがかかりますし、施主様、関係者双方にとって心のわだかまりが残ってしまうでしょう。

クレーム発生の事例を表した図

【解決策】 外出先でも修正可能、関係者全員が同一図面を編集できる手書きノートアプリの導入

この会社では、現場管理ツールの一つとしてタブレット端末(iPad)を日常的に使っていたため、iPadで使える手書きノートアプリ『BuddyBoard(バディボード)』を試すことにしました。BuddyBoardは、図面などのデータに直接手書きできる、建設業向けDXツールです。

PDF化した図面をBuddyBoard上で共有、チームメンバーはそれぞれのiPadで、自分の都合のよいタイミング、場所で最新図面の確認や修正、コメントを書き込めます。施主様からのご要望は、打ち合わせ時や個別の連絡を通じて担当設計士が聞き取り、iPadまたはパソコンからその場で即座に書き込みます。同様に各チームメンバーが外部の人とやり取りした情報を、各自がiPadまたはパソコンから書き込みます。一つのファイルに対して複数人が同時にアクセス、同時編集ができるので、打ち合わせ時やWEB会議などでも、その場で確認事項や修正点を書き込めます。また、レイヤー機能により、役割やメンバーごとにレイヤーを分ければ、書き込みの混在で混乱することもありません。PCやスマートフォン など他のデバイスからもアクセス可能です。それぞれが必要なタイミングで最新の図面を確認したり、修正したり、コメントを入れたりできるので、タイムリーに書き込みや確認作業ができるようになり、図面の先祖返りも防げます。

変更点をリアルタイムで共有できるBuddyBoadのイメージ

【改善点】 円滑なコミュニケーションで認識のズレを解消。クレーム防止や残業削減に効果

BuddyBoardの導入で、チームメンバーの動きが変わりました。施主様との打ち合わせ時には、iPadに仕様書や図面を入れて持参し、顧客からの要望をその場ですぐに手書きで書き込み、お客様にもその場で認識にズレがないかを確認してもらいます。これにより、「言った、言わない問題」や双方のイメージの違いなどが生まれなくなりました。また、図面の大量コピーや、打ち合わせ時の議事録作成のために依頼していた社外スタッフにかかるコストも不要になりました。

また、外出先で施主様から電話による変更希望等があっても、その場でBuddyBoardを介し図面修正やコメントの書き込みができるようになりました。記録漏れがなくなっただけでなく、その場で修正図面を共有して施主様と確認もできるので、認識違いによる手戻りもなくなりました。要望の伝達手段を一本化し、チームメンバーがすべてクラウド上の仕様書や図面に手書きで書き込むことで、要望を抜け漏れなく反映することができます。

これらの改善策により、クレーム対応の時間やそれに伴う作業の手戻りなど「想定外の作業」の発生を防ぐことができ、スケジュールの遅れを残業や休日出勤で取り戻すというスタイルが常態化しなくなりました。また、図面を何度も上書きしているうちにどれが最新図面か分からなくなる問題も、BuddyBoard上で最新版を管理できるようになり、誰もが同じ図面を見て共通認識のもとで作業できるようになりました。

BuddyBoardの導入はクレーム防止に効果があり、クレーム産業と揶揄されている建設業界において、社員の定着率にも好影響が生まれるのではないかと、会社の担当者は期待しています。

BuddyBoard導入後の図面修正および施工の流れを表した図

まとめ

建設業では、さまざまな関係者の間で複雑なコミュニケーションが発生します。そのため、認識のズレや行き違いには特に注意が必要です。コミュニケーションの課題を改善して、クレームを未然に防ぎ、企業の信頼と生産性向上につなげていきましょう。

建設業のクレーム防止に貢献し、
生産性向上を実現するBuddyBoard

今回の事例のように、建設業界向けの機能を持つアプリBuddyBoardを導入することによって、仕様書や図面の修正・変更管理が楽になり、お客様からのクレームを事前に防止する効果が期待できるようになります。誰もがクレームなど望んでいませんし、できるだけ想定外の作業が増えないようにと願っているはず。コミュニケーションツールの工夫で、建設業界にありがちな課題を解決してみませんか?

建設業における生産性向上、特に残業削減の方法にお悩みなら、まずはお問い合わせください。ニーズにあわせた機能や使い方をご提案します。30日間無料トライアルもご用意しております。BuddyBoardが貴社の生産性向上に貢献することを、ぜひご自身の目でお確かめください!

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